<rss version="2.0" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"><channel><title>弁天山房うしくん便り | 霧の丘　Colline de brouillard</title><link>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/categories/61994</link><description>弁天山房うしくん便りの一覧</description><atom:link href="https://hitomi-izuno.themedia.jp/rss.xml?categoryId=61994" rel="self" type="application/rss+xml"></atom:link><atom:link href="http://pubsubhubbub.appspot.com/" rel="hub"></atom:link><item><title>うしくんは偉い</title><link>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/4118350</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/38f49e7db52154291122d2a1512d686c_af32ff942901421cf7678ba4f84d0a55.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;　吾輩はうしくんである。今日の吾輩はたいへんに偉い。どうして偉いのかというと、主人がいつものように酢の匂いをさせてバシャバシャやり始めたので、いつも以上におとなしくして居るのだ。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　これは野生動物である吾輩たちにとって、たいへんに殊勝な態度である。日々本能のままに暮らしている吾輩は腹が空けば餌皿に顔をつっこむし、眠くなればなるべくフワフワとしている場所を選んで伸びて眠る（寒いことがないので、丸まらなくてよいのだ）。そういう生活をしている吾輩が、いつもの酢の匂いを嗅いだだけで行動を一部自粛しているのだから、理性をもった人間が同じことをする以上にこの賢さを褒めてもらいたいのである。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　とは言ったものの、吾輩もなんの経験もなしにこの殊勝な心がけが出来たのではない。記憶にすりこまれた恐ろしい経験が、生きるための身のこなしを導くのである。生きるための身のこなし、つまり酢の匂いがしている間は重力検査およびその他の派手な行動を控えるということだ。これをやらかして以前主人の怒号を聞いた。あの時は今のように気を引き締めておらず、全体に緩んだ心持ちで炊事場に立つ主人の気を引こうとしていた。しかし吾輩は恐ろしいことに関してはよく神経が動く。あれ以来、酢の匂いを感知すれば主人から少し距離を置いた風呂場の陰などからそっと見守ることにしている。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　今日は酢の匂いの中で主人の細君が寝ていたので、その寝顔を定期的に見守り、細君が途中で目を覚ませばこれも遠巻きに視線を合わせて吾輩の存在を無音の内にアピールするなどした。どれもニャとも鳴かずに遂行したのだから頭をなでてもらっても余るくらいだ。細君は主人の横をすり抜けてひとりで入浴を始めた。吾輩は偉いので、細君が無事入浴を済ませて出てくるのを風呂場の戸の前でおとなしく注意深く待った。しばらくして細君が湯気とともに顔を出したので、少々気が緩み、普段は滅多にやらないが細君の部屋履きの端を噛み、前脚と後ろ脚で固定したり蹴ったりしてごまかした。細君は吾輩の慎重にしているのを感じ取ったらしい。吾輩を「ばっちいからね」と制しつつ、吹き出している。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　この家の中で番付をするなら吾輩が一番だと信じて疑わないのであるが、時として、酢の匂いがする時だけ、吾輩はどうしても恐怖から身をひるがえすべく、主人より格下のように神経をはりめぐらせてしまう。そのことが細君に筒抜けで少々恥ずかしく感じても吾輩は慎重に酢の匂いが過ぎ去るのを待つほかない。その匂いは、野良猫がやむを得ず雨をしのぐと同じ、避けて通れぬこの家の畏怖である。&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;</description><pubDate>Mon, 30 Apr 2018 15:39:52 +0000</pubDate><guid>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/4118350</guid><dc:creator>伊豆野　眸</dc:creator><category>弁天山房うしくん便り</category><enclosure length="0" type="image/jpeg" url="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/38f49e7db52154291122d2a1512d686c_af32ff942901421cf7678ba4f84d0a55.jpg"></enclosure></item><item><title>うしくんの重力検査</title><link>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/2294058</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/2523dc49476629e14ad6cc37fab45b35_d9cdeb6d3439cf97a24f2f1149955ffc.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;　吾輩はうしくんである。吾輩の日常は他から見れば呑気そのものであろうが、実際のところは、何かとするべき事が多く忙しい。これは吾輩の主人でさえ疑いの眼を向ける所であるが、高尚な吾輩の仕事は主人には一生わかるまい。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　日々の仕事は、食う寝る遊ぶを基軸に、主人の細君がばたばたしている洗濯物に異常がないか調べる「洗濯物検査」や、主人の食っている物が適切かどうか調べる「食卓検査」など多岐に渡る。たいていはさほど力を使わずに済むものばかりだが、その中のひとつ「重力検査」にはしばしば時間と労力がかかる。これは高さのある場所から物を床へ落としてみることで、かのアイザック・ニュートン氏が閃いた重力が正しく作用しているか調べる大切な検査である。重力がある日突然なくなってしまっては一大事なので、不定期に吾輩の思い立った時にこの検査は行われる。床へ落とす物は主人のペン、携帯電話、手帳、手荒れ用軟膏の容れ物など、重たいものは吾輩の肉球でもって何度か押し出してようやく机からすべり落とすのでなかなか難儀である。たまに主人の飲みかけのコップを落とすと、床一面に中身がぶちまかれ、それで主人に叱責されることもあるが、重力の有無を調べるにあたって拘泥する必要のない塵ほどの犠牲ではないかと不思議に思う。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　ある日思い立った我輩は件の重力検査を始めた。その時はちょうど主人が炊事場でいつもの酢の匂いを撒き散らしてバシャバシャやっている所であった。検査中は邪魔がないほうが有り難いのでこれ幸いと机へ跳び上がり、置かれている物を確認した。それは普段目にしない、銀色の大きな筒型の容れ物であった。黒い蓋がついており、肉球で触れると少々重たい物だとわかった。前足で払うように机上をすべらせると、容れ物は少しずつ動いて、とうとう机のふちまで移動し、床へ向けてゆっくりその体を傾けた。瞬間、事態に気づいた主人が聞いたことも無いような悲鳴をあげた。それはまるで我が子が谷へ突き落とされるのを今知ったかのような絶叫であった。派手な音を立てて容れ物が落ちた。主人は飛んできて手を差し出したようだったが、無残に蓋は取れて、中身が露出していた。驚いた細君が何事かと駆けつけたら、「ぜんぶ感光してしまってパァだ」と怒気のにじむ声で主人が顛末を話した。吾輩はコップをぶちまけた時のごとく叱責の手が伸びてくることを予期し、とっさに頭を低くして身構えたが、意外にも主人はさっと冷静に戻り、容れ物の中身を何の感情も込めない手つきで処分しただけだった。日に晒された中身は、黒く細長い紙のような物だった。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　吾輩の主人は炊事場に立ってバシャバシャやるとき、並々ならぬ気配で居る。谷の底で死んだ我が子をこれ以上悲しんでも生き返らない事を知って冷淡に屑入れへ捨てるほど、鬼の精神で酢の匂いに向き合っている。吾輩は主人の手の中で何が出来上がっているのか知らない。それでも野生の吾輩は、同じく主人の人間に珍しい野生を見ただけで、酢の匂いのしている内は重力検査は止しておこうと思った。&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;</description><pubDate>Sat, 22 Apr 2017 08:21:27 +0000</pubDate><guid>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/2294058</guid><dc:creator>伊豆野　眸</dc:creator><category>弁天山房うしくん便り</category><enclosure length="0" type="image/jpeg" url="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/2523dc49476629e14ad6cc37fab45b35_d9cdeb6d3439cf97a24f2f1149955ffc.jpg"></enclosure></item><item><title>うしくんは聞いた</title><link>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/1004777</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/ea580f7b75bb186c47b90e314938394f_392b906e717e29e0433bbaa3f41ee67b.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;　吾輩はうしくんである。吾輩は先日の明け方、主人の悲痛な叫び声を聞いた。何かと思って丸めていた脚から顔をあげると、主人は布団の上で暴れながら「フイルムの値段が！印画紙の値段が！」と野生のごとくうなっている。どうやら聞いていると、”ふいるむ”と”いんがし”の価格が高騰していることを嘆いているようであった。吾輩には”ふいるむ”やら”いんがし”やらがどんな物なのか検討もつかぬ。主人は大声でそれらを購入したときに一体いくらかかるのか暗算をしてはわっと泣いている。よほど関わりの深い物なのだろう。鬼のように手足をもばたつかせ布団を蹴りあげていたが、しだいに眠くなったとみえて寝息だけが聞こえるようになった。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　そうしてしばらく経ったある雨の日、主人は炊事場で酢の匂いを撒き散らしながらカシャカシャ金属音のする物を触っていた。銀の丸い箱がいくつか見えたが、酢の匂いに鼻がもげてしまいそうでそれ以上覗き込むのをやめた。吾輩が引きかえして机の上に戻ると、小さな紙の筒がころころと置かれている。この紙はきっと何かの抜け殻で、中身の方は主人が大事に水の中で何かやっているのだろう。吾輩が一つ二つ鳴いてみても炊事場の前かがみの姿勢が変わることは無かった。&lt;br&gt;&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;</description><pubDate>Fri, 08 Jul 2016 14:21:10 +0000</pubDate><guid>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/1004777</guid><dc:creator>伊豆野　眸</dc:creator><category>弁天山房うしくん便り</category><enclosure length="0" type="image/jpeg" url="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/ea580f7b75bb186c47b90e314938394f_392b906e717e29e0433bbaa3f41ee67b.jpg"></enclosure></item><item><title>うしくんの名前</title><link>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/539374</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;　吾輩はうしくんである。名前はすでにうしくんである。吾輩の体躯はうまれつきやわらかい。今やじゅうぶんすぎる肉でおおわれているその上には、これもうまれつきの黒色のぶちがある。このぶちによって吾輩はうしと名付けられた。うしと名付けられても吾輩は人間（猫）だから、そんなに乳は出ない。現代の栄養過多のペットフードで肥えた吾輩は、しかし不覚にも腹に肉を余して、歩く四肢の間でそれが具合よく揺れる。その様はうしの名に足るであろう。まったく不覚である。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　もっとも吾輩の主人は「鸕詩」という難解な字を吾輩にあてているようだ。「彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊（ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと）」の一文字を拝借している。曰く、吾輩を神武天皇よりえらくしたかったのだという。吾輩は土佐の山奥で生れ、そのまま一生を終えようとしていたところを何の加護か助かった身である。高貴な生まれではない。ありがたい字を頂戴しても、吾輩にはそれがどれほどのものかわからない。今はあたたかいヒーターの前で身を溶かしているから、ヒーターよりはありがたいのだろうかと想像するしかない。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;br&gt;&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/e7a8bd53cc8f944567259a58a9b2e7c4_1b213d92c1c3cc682f40999fddf6e10c.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;</description><pubDate>Mon, 15 Feb 2016 14:36:46 +0000</pubDate><guid>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/539374</guid><dc:creator>伊豆野　眸</dc:creator><category>弁天山房うしくん便り</category><enclosure length="0" type="image/jpeg" url="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/e7a8bd53cc8f944567259a58a9b2e7c4_1b213d92c1c3cc682f40999fddf6e10c.jpg"></enclosure></item><item><title>うしくん参上</title><link>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/520775</link><description>&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;p&gt;吾輩はうしくんである。名前はすでにうしくんである。全長およそ１尺６寸５分（約50センチ）、目方（体重）およそ１貫600匁（約6キロ）にまで成長した。爾来、飯時日に２度なれど現代のペットフード甚だ栄養過多也。これもまた愛猫家を自負する愚親によるところである。この飼い主の休日は不可解千万である。なにやらおもむろに黒色の箱を袋詰めしては、愛猫家どこへやら吾輩のことなどは居なかったものとして家の外へでていってしまうのである。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;吾輩はここに、この不思議な、実に不自然な主について記していこうと思う。うなー&lt;br&gt;&lt;/p&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#x9;&lt;img src=&#34;https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/0acc9686eba3eaa0a9bb6aa74fb18c97_eee9572beeba0874c4b1e92091d4fbf8.jpg?width=960&#34; width=&#34;100%&#34;&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&lt;/div&gt;&#xA;&#x9;&#x9;&#xA;</description><pubDate>Mon, 08 Feb 2016 15:18:28 +0000</pubDate><guid>https://hitomi-izuno.themedia.jp/posts/520775</guid><dc:creator>伊豆野　眸</dc:creator><category>弁天山房うしくん便り</category><enclosure length="0" type="image/jpeg" url="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/112958/0acc9686eba3eaa0a9bb6aa74fb18c97_eee9572beeba0874c4b1e92091d4fbf8.jpg"></enclosure></item></channel></rss>